黒子に徹する翻訳者と編集者

ここでは数ある翻訳業務の中の一つ、出版翻訳という仕事について紹介しています。

出版翻訳という仕事について、翻訳家の役割を喩えていうなら、翻訳家はいわば黒子である、と言うことでしょうか。

皆さんも外国の文学等を日本語に翻訳した書籍を一度は必ず手にしたことがあるかと思います。

そのような書籍の表紙を見ると、翻訳家の名前が原作者と並んで記されていたりします。

それを見ると、翻訳家は一見華やかな存在のように思えるかもしれません。

しかし翻訳者は外国語で書かれた文章を日本語に翻訳するだけでなく、翻訳の際翻訳者はあくまでも原作の持つ作風や味わいを残すことを心得ておかなければなりません。

そうでないと、翻訳家はその使命を果たしたことにはならないのです。

翻訳者は黒子的な存在であると言えますが、それ以上に黒子的な存在であると言えるのが、出版翻訳に携わる編集者です。

編集者の役割は、原作と翻訳家とを結んで、そして作品と読者の間の橋渡し役を果たすことにあります。

こうして見ると編集者は名バイブレーヤーたることが求められている、と言えます。

編集者は表に出ない

出版翻訳する外国の原作を見つけてから、それを翻訳して出版されるまでの一連の過程で、編集者は決して表には出ることはありません。

ですが、この編集者なくして本が出来上がることはないですし、勿論出版翻訳という作業が完結することも有りません。

出版翻訳という一つの作業の流れは、結局のところこの黒子達が共同で一冊の本を作り上げる過程であるとも言えます。

如何でしたか。

皆さんも出版翻訳と、その背景、舞台裏を少しでもお分かりいただけたかと思います。

今度皆さんが書店や図書館で日本語に出版翻訳された書籍を手にとって見たら、是非ともここで紹介された出版翻訳の過程を思い出してみてください。

皆さんが偶然であっても手にしたその一冊は、ここで紹介した翻訳者や編集者等、出版翻訳に携わる数々の黒子達の連係プレー、コンビネーションによって出来上がった一冊なのです。

そして皆さんがそうした翻訳書をお読みになる際には、是非ともこうして出来上がった翻訳書の、その日本語と翻訳の世界とを味わいながら読んでいっていただきたい、と思います。

ちなみに、翻訳と言っても様々なパターン、様々な翻訳仕事が有ります。

ですがいずれにせよ、翻訳をやっていく上で一番大切なのは、やはり結局のところ常に勉強を怠らず、そうやって自分の得意分野に磨きをかけていくことなのでしょう。

決して現状に甘んじることなく、絶えず難しい翻訳仕事に挑戦していくことが大切です。

翻訳の仕事の場合、たとえどのレベルから始めても、或いはどういう形で翻訳を始めても、結局のところ翻訳としての一流のプロとなりたければ、必要になってくるのは、そうした努力の積み重ねであることに変わりは有りません。

もっともこのことは翻訳に限らず、あらゆることに通ずることだと思います。